岐阜県多治見市にて「ギャルリ百草」を営む安藤雅信さんと明子さん。それぞれ陶作家、衣服作家でもあり、ギャラリーではさまざまなジャンルのつくり手による、生活に密着したものづくりを紹介し、日本人にとっての美術、文化を発信しています。茶道をはじめ中国茶との縁も深く、近年は“中国茶とお菓子”をテーマにした提案もされています。
雅信氏によると、もともと中国茶にはお菓子と合わせる趣向はなかったとか。日本の茶道が育んだお菓子文化を、中国茶にも生かしたいと、中国の茶人とともに取り組んでいるそうです。そこでフィラメントでは、日本酒についても何かお菓子との新しい試みをしていただきたいと依頼。今回、雅信氏が提案してくださったのは、ヴィーガンスイーツと日本酒のマッチングです。動物性の材料を用いないヴィーガンスイーツとお米から造られる日本酒。どちらも植物原料から成る物の取り合わせです。
ギャルリ百草にて“日本酒とスイーツ”の会を開いて、その様子を動画撮影させていただきました。お菓子づくりは「Organic Vegan Sweets」田中あづささんです。
安藤雅信
陶作家
ギャルリ百草主宰
和洋問わず使用できる千種類以上の日常食器と茶道具、また「結界シリーズ」など現代美術と焼き物を平衡して制作。海外にも発表の場が拡がっている。新しい茶の湯と中国茶を提案。
安藤明子
衣服作家
ギャルリ百草主宰
結婚後自らの衣生活について考え始め、「古今東西の布を用いた年齢体型性別問わず、長く着られる定型の衣服」というコンセプトで、サロン(筒状のスカート)や上衣などを作り始める。
田中あづさ
Vegan pastry chef
アメリカ Seattleのveganレストランにてペイストリーシェフを勤めた後2002年に帰国。同年「Organic Vegan Sweets」を立ち上げる。白砂糖、卵、乳製品、動物性のものは一切使用せず、厳選したオーガニック食材を贅沢に使用したヴィーガン、マクロビオティックスタイルの身体に優しいお菓子を提案。
小原康司
理容師
小原理容店・2代目店主。30歳の時に父を亡くし、多治見一多忙な理髪店の改革を決意。10年かけて一席のみ、一人客と丁寧に向き合うスタイルに変えてから40年。また、修行と称し、3000メートル級の山に登る。体重をかけて踏み込む、という心身の鍛錬は人生に通じ、一流の人や物事と出会い、探求を続ける。とくに珈琲、蕎麦、日本酒に見識が高い。ギャルリ百草では、カフェのオープン時に、珈琲の淹れ方を指南。安藤雅信氏にとって「心の師匠」でもある。